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2004年10月31日
今年最後のセレソン
11月17日の南米予選エクアドル戦が今年最後のセレソンの試合となる。パヘイラ監督は先週、エクアドル戦を戦う22人の選手リストを発表した。リストは次のとおり:
GK:ジーダ、ジュリオ・セーザル(フラメンゴ);SB:カフー、ロベカル、マイコン(モナコ)、ジウベルト(ヘルタ)・ベルリン);CD:フアン、ロッキ・ジューニオル、ルシオ、ルイゾン;MF:カカ、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、ゼ・ホベルト、ヘナト、ジュリオ・バチスタ、クレベルソン、エドゥ、ドゥドゥ・セアレンセ(レンヌ)、FW:ロナウド、ロナウジーニョ、アドリアーノ、ルイス・ファビアーノ
見慣れない名前にブンデスリーガのヘルタでプレーするジウベルトとフランスはレンヌのドゥドゥ・セアレンセ(今年8月まで柏レイソルに所属していた!)がいる。クレベルソンも今年8月のコパ・アメリカ以来の招集だ。
ジュリオ・バチスタの招集について、パヘイラ監督はエクアドルの首都キトの標高が2,800m以上と高地であるため、心肺能力の高いバチスタを呼ぶことにしたと言っている。この言葉には誰も理解を示しておらず、アレックスを外す口実であるとマスコミはこぞって見ている。JB紙のトスタンは「前回ホームでのコロンビア戦の不甲斐なさを弁明するのにパヘイラ監督はカカの不在、アレックスのミスマッチの2点を理由にしている。実際は皆が見たように、セレソンは相手のパス回しに翻弄され、チーム全体が戦術的に対応できなかっただけだ」と切り捨てている。
オ・グローボ紙のカラザンスはさらに「パヘイラ監督はV5(5度目のW杯優勝、ペンタ・カンピオンという)の時の選手たちに非常に高い敬意を払っている。彼等の一部を次回のW杯に起用しないにしても、徐々に招集を続けながら切り離している。この前はCBルシオそして今度はクレベルソンの番だ」と痛烈だ。
他にも言えることは、両サイド・バックの補欠選手にあれこれと呼び始めたこと。前回の左サイドはアヤックスのマックスウェル、今回はヘルタのジウベルト。右サイドもここのところマイコンにベレッチにマンシーニ(ローマ)と、両サイド・バックに優れた選手を揃えられるか、いずれ重要なポイントになりそうだ。
最後にトスタンの印象的な言葉をもう一度「いま南米予選11節目でポイント獲得数(20ポイント)は、実は前回の年米予選11節目と同じ獲得ポイント数だ。今回の予選でポイント獲得率が上がったわけではない。ただ、いまは予選トップの座にいるから誰も文句を言わないだけだ。」
投稿者 fhasebe : 16:32 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月30日
ホビーニョの“セリ”開始
ワールド・サッカーの購買欲は待つことを知らない。いま、ブラジル・ポルトガルそしてイギリスのマスコミでホビーニョ獲得の話題が昇っている。事の発端はポルトガルのクラブ、ベンフィカの会長がサントスの試合を観戦に訪れたためだ。試合後、サントスの会長、ホビーニョ自身、ホビーニョのマネージャー等と一緒に会食した。サントス側はホビーニョを06年W杯後あるいは5千万ドル以上でしか手放さないと言っていた。ここにきてサントスの会長が柔軟な態度を見せたことで、ベンフィカ以外にもチェルシーがホビーニョ獲得に名乗りをあげたと、イギリスのマスコミが報じた。
サントス側はホビーニョの移籍を否定している。それもそのはず、チームは今全国選手権で首位争いをしておりチームの集中力を欠く話題はご法度だ。一方、ベンフィカ側およびポルトガルのマスコミはホビーニョの獲得情報を大々的に報じた。
しかし今はヨーロッパ移籍市場が閉ざされているため、両者とも正式にサインできないはず。ベンフィカ側はつまりホビーニョに“ツバをつけた”といった感じの公表ではないだろうか。クラブはここのところ、ライバルのFCポルトにディエゴやルイス・ファビアーノなどの大型ブラジル人プレイヤーを獲得されている。ホビーニョの獲得に乗り出したという姿勢を示すことでファンにアピールしているのだろう。勇み足に終わらなければいいが。
この情報を見て「なんだ、ホビーニョは移籍するつもりじゃないか」と言っているのはロシア人石油王アブラモビッチ。所有クラブ、チェルシーのために1年前からホビーニョに触手をのばしていた。イギリスのマスコミによると、石油王はホビーニョにまず18億ユーロほどを用意しているという。これは先月アヤックスがオファーしたとされる13億を越える。
イギリスからの攻勢に黙っていないのが、イタリア勢だと噂される。これまでもサントスに打診をしてきたユベントスやインテルもオファーを検討しているところだろう。ちなみにユベントスとチェルシーはヨーロッパのビッグ・クラブのうちブラジル人選手が1人もいない2クラブだ。
さあ、セリが始まります!どなたがこの天性のドリブラーを連れて行きたいのか?金額でお答え下さい。そこのイギリスの紳士、イタリアの伊達オーナー、それとも、そこのふてくされたポルトガルの御方。皆さん、潔くカバンを開けて、中身を見せてください。ちょっとそこのブラジルからの人達、お金がないのならお引き取りください。野次馬が一番困るんです。
おれたちのホビーニョを連れて行くな!

投稿者 fhasebe : 19:17 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月28日
ジーコの憂慮
アジア一次予選を通過してほっとしてか、日本代表監督ジーコがブラジルのマスコミのインタビューに応じた。話の焦点は何と言っても古巣フラメンゴの2部リーグ降格危機とロマーリオの引退騒動。
ジーコが栄光時代を築いたフラメンゴはいま全国選手権で19位。たった1ポイントで辛うじて降格圏から逃れている。クラブは選手の給料を数ヶ月分滞納しており、チーム全体に憂鬱なムードが漂う。この状況にたまりかねたクラブ史上最大のアイドル、ジーコが口を開いた。
「フラメンゴはただのチームじゃない、選手達はまだそれを理解していないようだ。給料が遅れているぐらいで不甲斐ないプレーをしてどうする。フラメンゴが降格しても自分たちは違うクラブへ移籍すればいいとでも思ってるのか?それは全国に散らばるフラメンゴ・ファンが許さない」
給料が遅れていれば良い仕事ができないのは当然。この事態を招いたクラブ首脳陣への批判はないどころか、選手にはタダ働きでも死ぬ気でプレーしろ。さもなきゃ、どこまでも追いかけてやる。本当にこれがジーコの言葉なのか疑うばかりだ。フラメンゴのような経営能力のないクラブは一度、二部リーグへ降格してチーム・プラニングをやり直せばどうか。
さらにロマーリオの引退騒動についても語った。ご存じ、ロマーリオは98年W杯で、当時のTD(テクニカル・ディレクター)を務めたジーコと監督のザガロが最後の最後に彼をメンバーから外したことを今も根にもっている。それ以来ジーコとロマーリオは周知の犬猿の仲である。
「ロマーリオには悪いが、ペレの後から出てきた最高の才能はロナウドだ。ロニーは2度W杯を優勝し、準優勝も一度。FIFA年間ベスト・プレイヤーにも3度選ばれている。実績でいえば文句なし一番だろう」と自分を引き合いに出すのではなく、現役のロナウドの肩を持つという牽制ぶりだ。ロナウドもロマーリオとは02年W杯以降仲が悪い。
ジーコの強烈なエゴは今では誰だって知っている。理解に苦しむのは、なぜロマーリオの騒動にロナウドの肩を持って参戦するのか。フッチ・ブログの見方では、ジーコの方がロナウドよりも完全なプレイヤーだ。ロナウドがソリストならジーコは指揮者だ。80年代前半のフラメンゴは美しい音楽を奏でていた。こうしたジーコの行動に彼を慕うものはどう反応すればよいのか。なぜはっきりと、「自分が一番だ」と言わないのか。
ブラジル・サッカーの舞台裏はなんとも複雑である。

投稿者 fhasebe : 23:49 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月23日
日本の視点
サッカーはお国柄をもっとも反映するスポーツだと言われる。今日の朝日新聞のオピニオン欄に日本サッカー協会会長川渕三郎のコラムがあった。日本サッカーの向上のために最も精進している川渕会長の意見には全体的に合意するが、いくつかの点では賛成しない。
コラムでは、川渕会長は一部のJリーグのチームは“相手がボールを持つと全員がハーフウェーラインまで引いて守備が始まる。悪い言い方をすると選手が楽をしている”と書いている。ハーフウェーラインまで引いて守るということは守備的な戦術をとるということであり、選手が楽をすることとは関係ないと思う。会長が理想とするヨーロッパの有名リーグでも、それぞれのチームはホームでは攻撃的に、アウェーではまさに引いて守るという二通りの戦術を使い分けているのである。この使い分けを完璧にこなしたのが、今年の前半に前回CLを制したFCポルトであある。当時の監督のモウリーニョはいまイギリスのチェルシーで指揮をとっており、堅実すぎるスタイルに地元ファンの批判を受けている。
次に川渕会長は“ボールを競ったときにわざと倒れてファウルを誘う選手もいる。倒れたら主審の顔をみて「ファウルをとって下さい」とジェスチャーする。こんなことは国際試合では通用しない。”と書いているが、フッチ・ブログは国際試合で通用すると思う。会長が気にしているのは、Jリーグのクリーンなイメージ。セコイ手を使って勝てるようなゲームだと観客に思われたくないというマーケティング面だろう。だが、サッカーはそうでない場合もある。簡単に言えば、弱者が強者に勝つとき何らかの奇策を使う。
1986年W杯のアルゼンチン×イギリス戦のマラドーナのハンド・ゴールを良しとするか否か。日本の選手が同じことをやればどうなるか、日本のサポーターはどう反応するか、これは冒頭で言ったように正否ではなく文化の問題である。
だから日本のサッカー関係者がポルトガル語のマリーシア(ずる賢さ)という言葉をサッカー用語として頻繁に引用するのも、何か違和感がある。なぜなら日本のサッカー文化はマリーシアとはかなりかけ離れているから。例えが飛躍するが、“沖縄は日本のラテンだ”といった文句にも同じような違和感をおぼえる。ひょっとして気温が高いせいなのか?黒潮文化とラテン文化にはそれ以外の共通点はないと言いたい。
コラムでは川渕会長もマリーシアという言葉に肯定的な解釈を示しているが、マリーシアとは時には相手選手を再起不能にしてしまうような激しいタックルにもしゃあしゃあと使われる。冷静な駆け引き、騙し合い、これがマリーシア、これがラテンである。映画「ゴッド・ファザー」のマーロン・ブランドが命を狙われている息子をイタリアからニューヨークに連れ戻すために、他のマフィアのドンに脅しをかけるシーンがある。あれがラテンだ。
その点、コラムで川渕会長がイギリスのプレミア・リーグの"スピーディな展開のおもしろさ”を引き合いに出したのは、ある意味正解だ。イギリス・サッカーもマリーシアのかけらもないスタイルだから。ひたすらに、直線的にボールを追い掛け、ボールを自分のものにしたら、すぐさまクロス、でなければクロス、と見せかけてクロス。いまどき、アーセナルというチームが50戦近く無敗でいられるリーグは、そのチームが真に強いことの証明でいいのか、それともリーグのレベルが全体的に低いことの証明ではないのか。フッチ・ブログには何とも言えない、プレミアにはあまり面白味を感じない。
フッチ・ブログが言いたいのは、日本のサッカーはどこぞの国のスタイル、戦術をさほど重要視するべきではない、日本は日本人ができるサッカーを追い求めるのが一番だ。たとえセコくても、短足で鈍くても構わない。ヨーロッパ選手の体格までは真似できなのだから。
投稿者 fhasebe : 23:36 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月22日
アイウトン、セレソンのアウトロー
ロマーリオ、ジーコ、ロナウド。彼等はクラブのサポーターたちから讃えられ、代表に選ばれて活躍し、そしてW杯という大舞台でその名を馳せた。サッカー・プレイヤーとして最高の栄誉を手に入れたのである。しかし、その影には彼等に負けないほどの才能を持ちながら、悲運にも歴史の影に消え去った選手たちがいる。世界はブラジルをタレントの宝庫と言うが、見方を変えれば、最もタレントを使い捨ててきた国でもある。現在も、いくら活躍してもセレソンに呼ばれない選手はゴマンといる。
現在、最も典型的な例がブンデスリーガ6年目で今季シャルケ04に移籍した31歳のFWアイウトンだ。昨シーズンは28ゴールで元所属チームのヴェルダー・ブレーメンを優勝へと導き、得点王と年間MVPプレイヤーのタイトルを手にした。ドイツにはファンが多い。
アイウトンはブラジル北東部パライバ州の貧しい町で1973年に生れた。1993年にブラジル南部の小さなクラブでプロ・デビューしてから1998年にブレーメンへ移るまで国内の中堅どころのクラブを転々とし、大きな脚光を浴びることはなかった。しかし、ドイツへ移籍してから年々、飛躍的に活躍するようになった。そしてとうとうブレーメンを優勝へ導き、ブンデスリーガ史上初の外国人年間MVPを受賞したのである。
アイウトンの走りはドスン・ドスンと太鼓腹を揺らす感じで愛嬌がある。本当は足が速くて、バツグンのシュートセンスがある。何といってもクレバーだ。典型的なマリーシア(ずる賢さ)の持ち主(FC東京のアマラウのような)で、何気なくDFの裏をかき、あっさりとゴールを量産していく。とにかくイメージとプレーのギャップが大きく、そんなところがドイツ人に評価されるのかも知れない。
そんなアイウトンの最大の夢はワールド・カップに出場することだ。それも、なりふり構わず、どこかの国の代表チームの一員になるつもりのようだ。まずは、母国セレソンのパヘイラ監督には「私は次回W杯の開催国ドイツでこんなに活躍しているのに、何で一回も呼ばれないのだろう」とアピールしたが、今のところ見込みは薄い(ロナウド、アドリアーノと比較されるのだから)。その後、ドイツ・サッカー協会とも話し合いを持ち、最後には今年3月にカタール代表(当時の監督はトルシェ)の一員になることに合意したが、結局FIFA直々の禁止命令により計画は水の泡となった。
「一つの町なんかじゃない、一つの国の全ての人々が自分の名前を叫んでくれたら、どんなに嬉しいだろう」。アイウトンの純粋な気持ちだ。近頃は、大金を払ってくれるクラブを優先して、代表チームをないがしろにする“ビッグ・プレーヤー”が多いなか、アイウトンの言葉はみずみずしい。
アイウトンは毎年、数億円の年俸をブラジルの田舎に送金し、親族全員で様々な投資事業をしているという。近所の知り合いや、ろくに知らない隣人からお金の頼みごとがあれば断ることなく、自転車の購入やトラックの修理代など気前よく肩代わりするらしい。「ノーと言えない性質なんでね」。心の広いブラジル北東部の田舎者だ。
アイウトンの夢は実現するのか?

投稿者 fhasebe : 23:52 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月21日
ショート・ニュース
これには驚いた、ミラン×バルサの試合に注目していたら、なんとインテルがバレンシアを5対1で撃沈した、それもバレンシアのホーム・メスターハで。アドリアーノは1ゴール、1アシストの決定的な活躍でCLの得点王タイ(バイエルン・ミュンヘンのマカーイと同じ4ゴール)。結局、ロナウジーニョでもなくカカでもなく、アドリアーノだった。
ロマーリオ解約。これまで知らせてきたロマーリオとフルミネンセのいざこざは、とうとうロマーリオの解約に至った。今週、日曜日の屈辱的な敗北のあと、ロマーリオは練習に出るも、監督とは顔を合わせず別メニューでストレッチのみ。終わってもチームに合流せずに帰ってしまい、不調を訴え今週の残りの練習を免除されていた。クラブ会長も事態は修復のしようがないと判断し、今日電話で本人に契約解除を通達。通達はロマーリオが電話に出なかったため、留守電に残されたという。
セレソン監督のパヘイラはフルミネンセとゆかりがあるため(監督としてクラブを84年の全国制覇に導いた)、昨日ロマーリオの問題について記者に話した。「ロマーリオほどのキャリアを持つサッカー選手はブラジルだけでなく世界中から尊敬されてもおかしくない。だから彼には自分のイメージを自覚し、これ以上みじめな醜態を晒すべきではない。つまり引退という道を真剣に考えるべきだ」と語った。
でもこの件がロマーリオの引退とは決まりではないようだ。なんとバスコ・ダ・ガマが彼とサインするという話があがっている。ロマーリオは以前自惚れながら、こう言っている「俺はお金みたいなものさ、誰もが欲しがる」。でもこれは因果だろう、自分がデビューしたクラブで選手生活を終えるという。
1人去れば、もう1人現われる。メキシコにいたジャウミーニャが解約され、ブラジルのクラブへの復帰を望んでいるという。
デビュー当時のロマーリオ(右)、左はアニキ分のホベルト・ジナミーチ(このお方も半端じゃない)。

投稿者 fhasebe : 19:13 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月20日
ジェルソンとペレ
今日のオ・グローボ紙のカラザンスのコラムには、ペレの映画に70年W杯セレソン司令塔のジェルソンの映像がない理由と今のロナウジーニョのプレーに対する違和感についての二つの面白いコメントがあった。
まずはジェルソン。ペレのドキュメンタリー映画「Pele Eterno」制作のさい、ペレのスタッフがジェルソンに映像の使用許可を電話で打診した。それもそのはず、70年W杯のペレのいくつかのゴール・シーンはジェルソンのスーパーパスから生まれているからだ。会話のくだりはオ・グローボ紙の記事からそのまま訳した:
ペレのスタッフ:ジェルソン、ペレの映画にあなたの映像の使用を許可してほしいのですが。
ジェルソン:いいよ、書類を送ってくれればサインする。
スタッフ:それに千五百レアル(5万円ほど)を渡すようにペレに言われました。
ジェルソン:それは、どういう意味だ?
スタッフ:映画に映像が出る全員に支払っているんです。
ジェルソン:他の人がどうしたかは関係ない、なんでそんな金もらわなくちゃいけないんだって聞いているんだ。俺が必要としてるとでも思ってるのか。もう書類は送らなくてもいいよ、サインしないから。
スタッフ:気に障りましたか?
ジェルソン:やり方が気に入らないんだよ。
スタッフ:じゃあペレの映画に出れなくてもいいんですね。
ジェルソン:そう!お前もペレもクソくらえだ。
数日後、ペレがニューヨークから国際電話をかけてきた。ペレのやんわりとした説得にジェルソンは再度映像の許可を承諾したものの、こう付け加えるのを忘れなかった:ペレ、今度からはお前が直接電話してこい。
それから少し、ペレがテレビのインタビューで70年W杯の試合中、控え室でタバコを吸うジェルソンに注意をしたと語った。ジェルソンはそれについて「ペレが俺にいつ注意したんだ?いつから俺にそんなこと言える身分になったんだよ。ふざけるなってんだ」と根も葉もない話だと否定している。
ペレのドキュメンタリー映画は封切りされたが、ジェルソンの映像はそこになかった。そして今年発表されたペレ選出による世界のベストプレーヤー100人にもジェルソンの名前はなかった。一見、ガキのケンカのように見えるが、これが70年W杯の栄光のセレソン・メンバーにとって最も悲しい内輪もめとなった。フッチ・ブログははっきりと言いたい、ジェルソンというブラジル史上最高のランサドール(パサー)をリストから外すなんて、ペレの不当な行為だ。
ジェルソンは海外ではあまり知られていないが、生粋のカリオカで現役時代には「黄金の左足」と言われていた。今はテレビやラジオで解説者を務めるが、試合が面白くなければ一言「試合はつまらない」といえる自然体のサッカー人である。二人のアイドルのいざこざは悲しいかぎりであり、なぜ王様ペレが意外とブラジル国内で支持されないのかを物語るエピゾードだ。ペレも強烈なエゴの持ち主だということだ。
映画の件ではジェルソンは一向に意に介していない。その後ペレの映画を平気で見にいき「ペレがフリーで受けたあのロング・パス、いったい誰が出したんだろうな、ハハハ」と一蹴している。リストの件では同じように選出されなかったリベリーノなどの同僚を気遣い、テレビでペレのリストを取り上げ「こんなもん紙切れだ、おれは永遠に無名でいいよ」と破いて見せた。ジェルソンのようなスケールのでかいサッカー人はそうはいない。
次はロナウジーニョの話。彼は最近少し変だ。カラザンスもこう書いている:“最近のロナウジーニョは自分のプレーを飾り付けようと不必要な気を使っている。どんな場面でも天才的でいなければならない、という強迫観念にかられているようだ。それとも、こんなもんでもう天狗になったのか。明確なのはセレソンよりもバルサにいるときの方が良いプレーをすることだ。まあせめて、今晩のカカとの対決は必見だと言っておこう。”
こうした批判があるおかげでブラジル・サッカーは健全でいられる。この文章は6年前にもそっくりそのまま使われた。ロナウジーニョの名前の代わりにリバウドという名前があったのだが。そのおかげかどうかは知れないが、リバウドはそれから4年後、日韓W杯でロニーと二人で決定的な活躍をした。
70年W杯決勝戦で2点目のシュートを放つジェルソン、美しいシーンだ。

投稿者 fhasebe : 21:02 | コメント (2) | トラックバック
2004年10月19日
アドリアーノ、ゴラッソ・マラドニアーノ!
セリエAを観ている人は先週末のアドリアーノのスーパーゴールをご存じだろう。日曜日に行われたホームでの対ウディネーゼ戦でリンペラトーレは自陣の真ん中辺りでボールを受けとると、猛然とワンマン・カンウターを開始しはじめた。前方には相手ディフェンダーが“二人しか”いなく、フィニッシュまで一時もスピードを落とさずセンターサークルで1人をかわし、数歩でもう相手エリア前に到達、右足から左足に切り替えると同時に前にいる最後のDFと後ろから追いつこうとしていたDFを次々と瞬時にかわし、かまえた左足でスドーン。キーパーは一歩も動けず。近年稀にみる迫力満点のプレーだった。
このゴールをどうしても観たい人はインテルのHPでストリーミングできる(視聴期間はあるようだ)。私はインテルの回し者でもないし、インテリスタでもないが、このゴールは必見だと言うしかない。間違いなくサッカー好きな人にはジーンとくるプレーだ。
インテル・サイト(日本語あり):http://www.inter.it/aas/news/darwinlist?L=en
試合後、本人は「ボールをもらったときから思いっきり行こうと思っていた」と記者に語っている。このゴールを地元イタリアのマスコミは絶賛したが意外とブラジルのマスコミは取り上げなかった。面白いのはアルゼンチンのマスコミが大絶賛していたこと。Diario Oleは「これはマラドーナじゃないか=golazo maradoniano!、このバケモノはどの星からやってきたのか?」と書いていた。バケモノはブラジル・リオ・デ・ジャネイロ郊外の超やばいスラム街の出身らしい(映画「シティ・オブ・ゴッド」にあるような)。アルゼンチンではセリエAのなかでも自国選手の多いインテルを注目しがちで、彼等がブラジル人選手を褒めるのは、よっぽどのことである。
アドリアーノは試合3日前の木曜日までブラジルにおり(セレソンに帯同)、予定していたイタリア行きの便に乗り遅れたため試合前日にイタリア入りした。当初は試合に出ない予定だったが、チームの他のFWのレコバやマーティンスがケガで試合に出場できないため、スタメンで起用された。試合前には「もう二度とフライトに遅れてチームに迷惑をかけません」なんて謙虚なことをいっていたが、ボールを持つとすぐさま野獣に変身。試合では先制点も決め(これは大きな弧を描いてネットに突き刺さった弾丸FK)、3点目のヴィエリのゴールにも貢献した。そんなことなら毎度遅刻してくれとインテリスタは言っているのではないだろうか。
セレソン的にみても、これはちょっと凄いことになりそうだ。現在、1トップのロナウドもうかうかしてられないはず。アドリアーノの調子は留まるところを知らない、「ロナウドと比較されるなんて、ロニー兄貴の足下に及ぶだけでもう満足だ」なんて謙遜しているところが、また危険だ!なんといっても、今回のようにビエリのようなタイプとツートップを組んでいけば(互いに良いアシストを出し合っていた)、セレソンでロナウドともツートップを組める(ちなみにロニーとビエリもインテルで組んだことがあった)。もしそうなれば、前線の三人でリンペラトーレにはじき飛ばされるのは、ロナウジーニョかカカになる!
面白いことに、ロナウジーニョとカカは今週のCL戦(サン・シーロ)で激突。どちらも互いにプライドを賭けた勝負になるが、ロナウジーニョはいま明らかにプレーがマンネリ気味で、カカの方がキレがある。この試合もセレソンにとっては注目度が高い。

投稿者 fhasebe : 17:00 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月18日
ブラジレイロンの現状
今年で2年目を迎える前・後期総当たりのブラジル・リーグ。参加クラブは24チーム、4月21日から12月19日までの8ヶ月間に46節が行われる。たから“ブラジレイロン”、でかいブラジル・リーグと呼ばれる(実は総当たりリーグになる前は各州リーグが半年あり、これとの規模の差を明確にするための名称であった)。はっきりいって、この長丁場にとまどいを隠せないサポーターたちは大勢いる。

一部のサポーターの言い分は総当たりのリーグではトーナメント方式のホーム・アウェー対戦(リベルタドーレス杯やヨーロッパCLのような)による準決勝や決勝といった興奮極まる試合がないという。確かにそうだが、総当たりの良さは大会を通してベストなチームなチームが優勝するという、最も組織力の高いチームが評価されるのである。
これは一種の文化の変化であり、一部の人気クラブはどうも力の入れどころに苦しんでいるようだ。それというのも、現在36節目が終了したブラジレイロンでは優勝争いをしているチーム数よりも降格逃れを争っているチームの数の方が多いからである。
あと10節つまり、30ポイントを競いあっている状況で、優勝争いに加わっているのは上位の6チーム。1位で勝ち点69のアトレチコ・パラナエンセ、2位の勝ち点89のサントスを筆頭に、3位タイで勝ち点62のサンパウロとサン・カエターノ、5位タイで勝ち点59のジュヴェントゥージとパルメイラスまで。7位のコリンチャンスからは勝ち点54以下で正直望み薄だ。
一方、降格する4チームの枠から逃れるには勝ち点50が予想ラインとされるが、現在15位で勝ち点43のパイサンドゥから下の9チームが予断を許さない状況にある。23位で勝ち点35のグレミオ、24位、つまり最下位で勝ち点34のグァラニの2チームは危機的状態にあるといえる。
24チームのうち6チームが優勝の可能性、10チームが降格の可能性がある。チーム運営に困難しているチームの方が多いということである。特にリオの4大チームのうちフルミネンセを除く3チーム、フラメンゴ、バスコ、ボタフォゴが降格危機圏にいる。他にもミナス・ジェライス州のアトレチコ・ミネイロ(G.シウバ、トニーニョ・セレーゾなどを輩出)、リオ・グランデ・ド・スウ州のグレミオ(ロナウジーニョなどを輩出)やバイーア州のビトーリアなどの大衆クラブが降格の危機にある。
大衆クラブの経営者からしてみれば降格ほど恐ろしいものは無いはずである。バスコ、フラメンゴ、ボタフォゴ、グレミオ、アトレチコなどは一つの時代を築いた名門で、それぞれのクラブの低迷の理由はともかく、いま苦難を強いられている。とくにリオのチームはこれまでのトーナメント方式の戦い方に見合った短期的に有名選手をかき集め、借金までしながら決定的な数試合を勝ち抜くというやり方が身に付いており、新しい方式に適応できていないのは明白だ。
こうしたやり方はべつにブラジルに限ったことではない。ヨーロッパでも瞬く間に高額選手を多数集めたクラブは基本的にすべてが赤字体質なのではないだろうか。一時のラッツィオやバルセロナなどが良い例で、現在のレアルはサッカーの試合以外にマーケティング収入を大きな経営資源として頼りにしているはずだ(だからこそ敗北のイメージは御法度なのだが)。日本のプロ野球も周知のとおり、選手の年俸は上がる一方で、親会社頼みの赤字経営が話題になっている。
つまり、ブラジレイロンの総当たりリーグに反対する声はこれら低迷するビッグ・クラブ陣営から出ているのである。一方、首位を行くアトレチコ・パラネンセ、サントス、サンパウロ、サン・カエターノはいずれも規模の差はあるものの経営が安定しているクラブだと言われる。サントスとサンパウロは規模が大きい分、毎年数人の選手をヨーロッパ・クラブへ移籍させ財務を黒字に保ち、一方アトレチコとサン・カエターノは規模は小さいものの、無理な経営計画を立てず選手が安心して仕事ができる環境を整えていることで定評がある。
総当たりリーグは長い目でみれば、ブラジル・サッカーに重要な変化をもたらすだろう(そもそも、誰かがそれを見越したから導入されたのだから)。まず何と言ってもクラブ経営手腕の重要性が増し、中長期的なチーム経営ができないチームは規模はどうであれ、淘汰されること。そして、経営をさらに安定化させるための様々なマーケティング戦略の展開が必要になってくること。つまりチームのブランドをサポーターだけでなく、国境すら越えて販売するという、ヨーロッパ・クラブやアルゼンチン・クラブがやっていることが必要になってくる。
この話題については、いずれ知っている範囲で書くつもりであるが、とにかくブラジルのクラブはそうした変化を求められており、ぜひやるべきである。なぜなら、クラブ財政さえ上手く運営できれば、あとは草のように生えてくるクラッキたちをピッチに立たせるという、世界一の好条件に支えられるからである。
大切なのはブラジルの観衆に喜びをもたらすことだ。
投稿者 fhasebe : 23:08 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月17日
週末ネタ
まずは、フルミネンセ。予想通り、チームは試合前のいざこざに動揺してか、ホームのマラカナン・スタジアムでゴイアスに1-4で大敗。ロマーリオはスタメンで出場したものの、終始前線で歩き回るだけ、後半12分に相手チームに2対1と逆転されると、16分に交代されるまでロマーリオは観衆のブーイングを浴び続ける。試合は4対1でゴイアスが圧勝、伝統のマラカナン・スタジアムでの屈辱的な敗北にサポーターは激怒し、ブーイングはガマ監督にも及んだ。たったの1週間で最悪の状況に陥ったチームは、今回出場できなかったエジムンドに次節の勝利を託しているというが、それはそれで大変なことである。
一方、首位争いでも変動があった。2位のサントスがホームでポンチ・プレッタを相手に4-0と圧勝する一方で、1位のアトレチコ・パラナエンセがホームでパラナ・クラブと1-1で引き分けた(この試合はパラナ州ダービーといわれる)。これでアトレチコは勝ち点69で首位のままだが、2位のサントスが勝ち点68と1点差に詰め寄った。リーグはまだ10節残っている。
ソニー・アンデルソンがカタールのチームに移籍。バルセロナ、リヨンで活躍し前期からスペインのヴィジャレアルでFWを務めていたアンデルソンが“カタール年金リーグ”に合流。シーズン中にも関わらず、ヴィジャレアルのフロントの反対を押し切って、カタールのクラブAl Rayyanへ年俸250万ユーロで移籍した。これでリーガではアンデルソンの“技ありゴール”はもう見られないが、今年で34歳のゴール・ゲッターの行動は理解できる。
理解できないのは潮時を忘れたゴール・ゲッター、“俺も仲間に入れてくれ!”ってか。

投稿者 fhasebe : 23:51 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月16日
ロマーリオ、くすぶる
現在2ヶ月も試合に出ていない38歳のFWは今週ブラジルのマスコミをまた賑わせている。ゴールの方はさっぱりだが、ネタは絶やさないのがロマーリオ流。前に取り上げた発言「自分はペレが引退した後に出現した最高のサッカー選手」に対して、まずブラジルに帰国していたロナウドが異議を唱えた。
「そんなこと自分から言うなんて、ちょっと傲慢すぎないか?関係者やファンから言われるなら別だけどね」と、ごもっともな意見を述べていた。現在セレソンの歴代ゴールランキングはペレが1位の95ゴール、ロマーリオが2位の70ゴール、ジーコが3位の67ゴール、4位がロナウドの65ゴールとなっており、まだ現役のセレソンレギュラーであるロナウドはロマーリオの記録にあと5ゴールと迫っている。
ロナウドは「うーん、ペレの記録にはまだ遠いね、近づくことができればいいけど」と歴代1位はともかく、2位のロマーリオの歴代ゴール数を追い抜くことは当然のことのように話している。ロマーリオはセレソンの歴代監督とのいざこざ、ロナウドはケガと理由は異なるものの、セレソンにいた期間はペレやジーコに比べて短いのも事実だ。あいにく、全員の平均ゴール数が手元になく比較できないのが残念だ。
このロナウドの異議の次に、今度はフルミネンセの監督アレシャンドレ・ガマが「70年代以降に出てきた選手のなかではジーコとロナウドが突出したクラッキだ」とロマーリオの傷に塩をこするような発言をしてしまった。
この発言にロマーリオが激怒したのはいうまでもない。「あの野郎は、ブラジル・サッカーというバスに乗り込んだばかりで、もう座席にどっかっと座っている気分でいやがる。バカ言ってる暇があったら、チームを強くしたらどうだ」とあっさり、監督を名指しで批判し、「お前さんは経験が浅いんだから、バスの中で立ってろ、窓際の席は俺のだからな」と文字通り言い放った。
これにはガマ監督も黙っておられず、ロマーリオを今週末の試合の選手リストからはずしたのだが、ここにフルミセンセのフロントが介入しロマーリオの登録を監督に促したのである。ガマ監督は一端、辞任を表明するも、フロントに懐柔され、あげく何やら別のFW選手のケガを理由にロマーリオはちゃっかり追加で選手登録されてしまった。監督は面目丸潰れどころか、もう目茶苦茶な喜劇である。
オ・グローボ紙の記事では、論争は表面的な問題であり、本当はフルミネンセは契約上、ロマーリオを単純に解雇できなく(契約破棄の場合、高額の保証金を用意しなければならないらしい)、また何やら試合出場に関しても選手に有利な条件にあるという。契約は12月が満期で、それまではロマーリオはまさに怖いモノなしなのである。
年々、成績が下降気味で苦しい状況のリオのサッカーだが、これで少なくとも今週末の試合への注目は確保できた。

投稿者 fhasebe : 23:32 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月15日
だれが連れていくのか、ホビーニョ
先日、ホビーニョの話をしたばかりで、新しい展開が生じた。オランダのPSVがホビーニョに2千万ユーロ(およそ25億円)のオファーをしたといわれる。最近のブラジル国内でもこれほどの高いオファー金額はなく、マスコミはホビーニョの行方について書きたてている。これに対し、サントスの会長は正式オファーはまだ無いとごまかしているが、ホビーニョ本人がオファーはあったと記者にのべている。
サントスはホビーニョをまだ手放したくないことを明確にしている。クラブの目論見は、まずホビーニョとともに今年のブラジル・タイトルを獲ること。2005年は南米クラブ選手権リベルタドーレス杯など主要トーナメントを狙い、2006年ドイツW杯メンバーにホビーニョが入ること。こうして、あと2年でビッグ・タイトルを目指しながら知名度を上げていくことでホビーニョの移籍金額を契約保証金の4千3百万ユーロ(およそ50億円)、つまりブラジル史上最高移籍金額を得ることを目的としている(現在の最高額はサンパウロからベティスへおよそ35億円で移籍したデニウソン)。ホビーニョの契約は2008年まで延長されたばかりで、かなり具体的な計画だといえる。
ホビーニョ本人もPSVには行くつもりはないと記者陣に話している。行くなら、ヨーロッパの主要タイトルを狙えるクラブに行きたいらしく、憧れのチームはバルセロナだと漏らした。つい最近、チェルシーからの一千万ユーロのオファーを断り、レアルやイタリアの4大チームからも打診を受けているという。
サントスは今年8月、チームの要のディエゴがFCポルトに、ヘナトがセビーリャに移籍したばかりで当面は財政面で困らない。ここ2年ほどの海外移籍事情は、カカがミランへおよそ9億円(サンパウロ・サポーターは今でもこの“大安売り”を悔やんでいる)で移籍したことで、全体に抑え気味だった。
PSVに関してはオランダでは常にトップ・チームで毎年CLへ出場する常連チームである。ロマーリオ、ロナウドの二人はこのチームを足掛かりにしてバルサへ移籍している。つまりホビーニョの思惑どおりのシナリオでもある。だから今年のブラジル選手権の結果いかんによってはPSVへ移籍する可能性はなきしもあらずだ。いずれにしても、まだ二十歳のホビーニョにはどんな可能性もありえる。
サントスはいつまでホビーニョを保てるか

投稿者 fhasebe : 21:08 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月14日
悪い予感的中
本日のコロンビア戦は0対0の引き分けで終わった。パヘイラ監督はコロンビアのやる気のなさに翻弄されたと言い訳をするが、これで大切なホームの2ポイントを失った。それでもアルゼンチンがアウェーでチリと引き分けたおかげで、セレソンは南米予選チームランクの単独首位に留まった。
スタメン3トップはフッチブログの予想どおり、ロナウド、ロナウジーニョとアレックス。これがまさか、まったく上手くいかなかった。ロナウジーニョとアレックスが中盤で被り、ロナウドがマークされると、両SBのカフーかロベカルに出すしかないのである。
こんなに攻撃パターンが少なくていいのか、と批判するのはトスタン。前半はこの調子でズルズルとマンネリ気味に終了。唯一攻守ともに良いプレーをしていたのが、左MFのゼ・ホベルト。中盤右はヘナトが入ったが、攻撃面では仕掛けることができなかった。ヘナトはこれでボランチ以外の役割を兼任できる貴重なチャンスを逃したことになる。
トップ下のアレックスも有効な仕掛けはほとんどなく、後半にアドリアーノに交代させられる。アドリアーノは投入後、幾多のチャンスを作り、ルイス・ファビアーノと争う“ロナウドの補欠”の座をより近寄せた。いずれにしても得点できなかったセレソンはスコアレス・ドローと、ブラジル北東部マセイオの町に詰めかけた大観衆を失望させた。
ベネズエラからマセイオに続いた“お祭り行脚”は尻つぼみで終わってしまった。セレソンが変に有頂天になると、毎度冷や水を浴びせられるのだ。わかりきったことだ。プラス面があるとすれば、それは失敗から得た教訓だろう。たとえば、右MFのジュニーニョ・ペルナンブカーノの補欠がいないということ。今回はヘナトが試され、後半はサントスのエラーノが投入されたが、やはり今のところ思い浮かぶのはポルトへ移籍したディエゴか。偶然にもこれら3人は今年前半、全員サントスの選手だった。
左MFのゼ・ホベルトの補欠もエドゥでは心細い。ゼ・ホベルトのような攻撃力(もともと彼はフラメンゴでウィングとしてデビューした)を兼ね備えた選手が必要だ。これができる選手は今ちょっと思い浮かばない。
今回の試合ではっきりしたのは、ロナウジーニョは中盤で自由を与えられていること。私が監督なら後半アレックスを変えずに、90分間何ひとつしなかったロナウジーニョを代えた。自由を与えられるということは、逆にロナウジーニョが調子が悪ければセレソンの攻撃はまったく機能しなくなるということだ。セレソンはバルサではない。誰もロナウジーニョのために動かないし、彼の引き立て役にはならない。背中の10番を輝かせたければ、自ら突出したプレーで示さなければプレッシャーに潰されるだろう。昨年、バルサに移籍した時にしたように。
いまではカカの不在を喜んだことを後悔する。あのトップスピードでボールを配給していく能力はセレソンには不可欠だ。
セレソンの10番は重たいはず

投稿者 fhasebe : 23:58 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月13日
「ブラジル代表」の価値
今週のブラジルのマスコミはセレソンの話題で持ちきりだ。W杯南米予選2連戦のため里帰りしたセレソンの選手たちは、もはやサッカー選手というよりも、アイドル・スターの待遇をうけている。(アルゼンチンのDiario Oleでは、隣国セレソンのお祭り状態を見て「バカみたい」とコメントしている)。そんななか、二戦目のコロンビア戦ではじめてスタメンを務めるマグラォン選手は唯一ブラジル国内チームのパルメイラスに所属する“無名選手”だ。
マグラォンは今回、エジミウソン、ジウベルト・シウバという中盤の右を担う選手が負傷したため招集された。一戦目でジュニーニョ・ペルナンブカーノが捻挫したため、幸運にもスタメンが回ってきた。
マグラォンのスキルについては手堅いボランチ・スタイルで根性系だと言っておこう。タレント揃いのチームでいかに与えられたチャンスをモノにできるかが注目される。そんな期待のなか今週Terra Esportesで掲載されたマグラォンの契約内容は興味深い情報だ。
パルメイラスはサンパウロの4大チームでも月収が安いことで有名だが、その実は成果制を導入しており、基本月収に対し“レギュラー割増”、“ゴール数割増”といった具合で、月収が20%~100%割増される仕組みになっている。
マグラォンの場合は月収5万レアル(およそ170万円)でチーム二番目の給料(一位は02年W杯優勝メンバーのGKマルコス)。もちろん試合毎に勝利賞金がある。セレソンに招集された場合、月収に20%の割増がつく。次回の06W杯までセレソンの常時メンバーに定着した場合、100%割増され10万レアル(およそ340万円)となる。これがパルメイラスが“セレソン・ブランド”に対して払うお金である。もちろん、選手の移籍金アップを考慮したインセンティブである。
ちなみにブラジル国内プレーヤーの月収はサントスのロビーニョの20万レアル(800万円ほど)が最高額。このサントスの投資のおかげでロビーニョはそこらそんじょのヨーロッパクラブへ移籍しないのである。単純に比較できないが、浦和レッズのエメルソンの年俸が推定1億円強と同水準、インテルのアドリアーノが推定年俸3億円強といわれている。
マグラォンの頑張りはいかに?

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2004年10月12日
アレックスとリケルメ、昔ながらのミッド・フィルダー
今回の06年W杯南米予選二連戦で二人の中盤選手の存在が注目されている。ブラジルのアレックス(フェネルバフチェ)とアルゼンチンのリケルメ(ビジャレアル)。二人とも一戦目で、それぞれの代表チームの勝利に貢献し、二戦目ではさらに期待がかかる。アレックスはレギュラーのカカがカード累積で出場できないためスタメン濃厚、リケルメも新監督ペケルマンのもと、ライバルのアイマールの負傷のおかげで2試合連続でスタメンが確実視されている。
この二人に共通する点は意外と多い。二人とも早々と大型新人と言われながらデビューし、様々な挫折や批判を受けながら20代後半にさしかかった。彼等はもう自らのスタイルを確立しており、今後はいかにそのスタイルの範囲内で最高を生み出すか、という円熟期へ向かっている。
スタイルの確立といっても、それは半端じゃなく高いレベルの話だ。この二人は殆ど平面的に行われるサッカーを瞬時に、いとも簡単に3次元のゲームに変えてしまえる創造力の持ち主だ。60年代、70年代の典型的な中盤といったイメージがする。ディフェンダーからボールを受け取り、ゆっくりとキープしながら周りを見回し、走りだしたウィングに40mのロング・パスをピンポイントに送る。ノスタルジックなシーンだ。
今のサッカーはいかに相手のスペースを潰し合うかが大切だから、彼等のような中盤はよっぽどスキルが高く、精神的にもタフでなければ務まらないはずだ。とくに二人ともディフェンスがからっきし駄目だから監督は起用に困るだろう。また、3次元ゲームを結実するには理解者であるパスのもらい手も不可欠だ。彼等が活躍するには彼等のためのチームを作らなければならいが、このターンオーバー制時代にそんなことは不可能だ。まさに彼等は旧式のプレイヤーなのである。
ブラジルではアレックスのことを典型的なアルマドール(仕掛け人)、ランサドール(長いパスの名手、アメフトのQBに匹敵する)と呼ぶ。残念ながらアルゼンチンの歴代のランサドールは知らないが(マラドーナは凄いランサドールでもあった)、ブラジルで最も有名なのがジェルソンだ。ジェルソンは70年W杯を優勝したセレソンの10番で、当時の映像が残っている(初戦のチェコ戦では決定的な2本のロング・パスで試合を決めている)。ジェルソンのプレーは“フィールドの隅々まで視野にある”といわれたほど完全にピッチ空間を支配していた。
名コメンテーター、トスタンも今のセレソンのトップ下にアレックスをプッシュしている。彼の言い分は、ロナウド・ロナウジーニョ・カカの3人が揃うと、短いパスを繰り返しエリアの真ん中を突破しようと集まる傾向があるという。それ自体すごいことだが、さすが歴代の名プレイヤーのコメントである。ここにアレックスが入ればプレー範囲がたちまち立体的になり展開が大きくなる。ただし、受け手のトップも必要だ。トップはウィング的な動きも必要とされるから、アドリアーノも良いが(これがベネズエラ戦最後の20分)最適なのはホビーニョだ、とまでトスタンは仰っておられる。フリークとしてはそんなチームを一度でいいから見てみたい。誰がチームから出るのかは聞かないでほしい。
アレックスとリケルメ-フッチ・ブログはこの二人に活躍してほしいと願う。はっきり言ってそれぞれカカとアイマール(彼等も好きなのだが)から代表チームのレギュラーの座を奪い取ってほしい。そしてオールド・スタイルのランサドールを復権してほしい。
アレックス、このキックが空間を支配する

投稿者 fhasebe : 22:18 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月11日
小説家が見たレアル・マドリードの苦悩
ブラジルでは多くの作家がサッカーについて書く。なかでも一番有名で、火付け役とさえ言われるのが故ネルソン・ホドリゲス(Nelson Rodrigues)。彼については、日本では知名度が少ないが(訳しにくいのが原因だと思う)今のところブラジル文学の最高の作家だと述べておこう。その話は別の機会にするとして、今週、オ・グローボ紙に作家ルイス・フェルナンド・ベリッシモがレアル・マドリードについて書いた。
“世界一のプレイヤーたちが集まったチームが一つもタイトルを獲れないのは、理屈的におかしいのだが、人々は心理的な要素を見落としている”とはじまり、“理想のチームはもはや現実の相手と戦うのではない、彼等は観客が想像する理想のゲーム、自分達が求める夢のプレー、これらと戦っている。だから現実の目の前にいる平凡な相手チームが攻めてくるのを見て、なぜこいつらは自分たちの足下にひれ伏さないのだろう、と首をかしげるのだ。”
なるほど、しかし“理想のゲーム、夢のプレー”はフッチ・ブログや世界中のサッカー・ファンが永遠に求める瞬間である。イタリアではそれができる選手のことをファンタジスタと称号する。
ベリッシモは更にこう付け加える。“ファンタジックなプレーをするには、誰かが汗をかいて相手からボールを奪ってくれないと始まらない。この認識を忘れてはならない。たとえ相手ディフェンダーが当たりにきた瞬間、自分の足の資産価値に対し、そのタックルを受けるべきか否かの勘定能力に優れていたとしてもね”
ベリッシモは冷ややかなユーモアで有名で(現代のマシャード・デ・アシスと言われる)、サッカーに対する見方も偏見だらけで独断的、批判精神にブレがない。フッチ・ブログが好む作家の1人だ。彼のコメントはセレソンにもスッポリあてはまる。
投稿者 fhasebe : 13:24 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月10日
気の抜けたコーラ
ブラジル5×2ベネズエラ。今日、ベネズエラで行われた南米予選第9節の試合はセレソンの圧勝だった(これで前期が終了)。が、なんとも緊張感の無い試合だった。南米では珍しくベネズエラはセレソン相手に守備的にならず、対等な勝負を挑んできた。結果、ブラジルはロナウド、カカ、ロナウジーニョの3人が相手の“薄いDF”(普通の4-2だが)をものともせずポンポンとゴールを決め、前半で2-0、後半早々に4-0として勝負を決定してしまった。
しまいには果敢に攻撃したベネズエラも2得点をあげることができ、両者とも満足のいく“お祭り”となった。後半、ベネズエラのファンがピッチに2回侵入し、ロベカルやロナウジーニョに抱きつこうとする珍事もああり、試合はアイドル・コンサート並みの盛況ぶりだった。
一番明らかだったのは、ブラジルの選手たちは激しい接触を避けていたこと。ロナウジーニョは何がなんでもケガをしちゃいけないと必死だった。バルサの事情を考えていたのだろう。とくに後半、ジュニーニョが審判のかかとを踏んづけて捻挫をしてしまった(!)アクシンデントの後は、もう皆ベンチの方をちらちらと見て、早く変えてくれないかといった感じだった。
サッカーをやった人ならわかるが、気の抜けた試合こそケガしやすい。セレソンの選手はいつのまにか全員自分が所属するヨーロッパのクラブでは不可欠な存在となっている。ジュニーニョに替わって入ったエドゥだけがアーセナルでベンチ要員(ベンチ入りすらしておらず1月の移籍が濃厚)だ。ジュニーニョのケガが長引けば、フランス・リーグで首位争いをしているリヨンには大きなダメージとなる。
ブラジル人選手がヨーロッパで大活躍するのはいいが、セレソンに帰ってきても100%のプレーができなければブラジル人にとっては面白くない。これは10年以上前からの議論だ。たとえば82年W杯のあのセレソンは前年の81年から徐々に出来上がっていったが、親善試合、予選試合どれをとっても素晴らしい試合だった。一試合、一試合をひたむきに戦い抜き、セレソンの歴史でもトップ3に入るチームに成長した(他は70年W杯、58年W杯といわれる)。その過程で世界の大舞台に現われることなく去っていったクラッキは多数いる(FWのヘイナウド、ウィングのゼ・セルジオなど)。
セレソンにはそうした厳しさを保ってほしい、カカ、ロウナジーニョ、ロナウドはやっとこさ4点をたたきだした(3点目はロナウジーニョから始まった素晴らしい連携だった)が、彼等のポジションをがむしゃらに奪いにくる選手が見たい。パヘイラ監督は一定のグループを保っていく考えのようだが、後半のロナウジーニョ、アドリアーノ、アレックスのトリオは素晴らしかった。
次節は来週木曜日、ホームのコロンビア戦。カカはカード累積で出られず、ジュニーニョも無理はしないだろう。他の選手にはチャンスである。ひょっとしたら、あの“R”の付く青年が追加で呼ばれるかもしれない。それとヘナトのボランチは美しかった。
試合前の練習で地元ファンに抱きつかれるロナウジーニョ、そんなことしたらバルサの会長がヤキモキするだろ!

投稿者 fhasebe : 18:45 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月09日
青田買い…青田買い…
ヨーロッパ・クラブによる南米選手の青田買いはもはや歯止めが効かない。今週はバルサとアルゼンチンのリーベル・プレートで12歳の少年の“移籍”について綱引きが開始された。アルゼンチンのDiario Oleの記事にあるが、リーベルのユースが今年スペインやフランスに遠征したとき、バルサのカンテラ(下部組織)のスカウトがリーベルの1人の少年に“目を付けたという”。
バルサは少年をスペインに連れて行き4年後の16歳にカンテラに登録するため、年間12万ユーロ(一千万以上)の生活補助のオファーを出した。これには少年の両親も気持ちが傾いているという。
問題はこの移籍によってリーベルには一銭も入らず、将来有望な選手(といっても12歳の時点で将来が決まるわけはないが)を失ってしまう。以前もアルゼンチンではニューウェルズのメッシが13歳でバルサに行ってしまった(今年バルサで来日している)同ケースがあり、AFAアルゼンチン・サッカー協会も自国クラブの損失に傍観はしていられなくなった。少年は7歳のときからリーベルのスクールでプレーしはじめた。
ヨーロッパのサッカー・クラブはもう選手の育成が主な仕事でなく、投資と金銭感覚に優れたマーケティング作戦で、あの手この手を使って南米やアフリカの選手を(安く)買い漁ることが、運営手腕の一つとされているようだ。その結果、ヨーロッパにはもう優れた選手が出てこない。唯一、国をあげて選手育成に勤しんだフランスがジダンやアンリを要しているだけ(実際、彼等も元は貧しいアフリカ系移民の出身だというが)。
ちなみにブラジルでは6年前にインテル・ミラノのスクールが全国に数カ所設立され、「貧しい子供達にサッカーと生活の基盤を与える」とうたっていた。このプロジェクトはアフリカなどでも行われているというが、今イタリアのインテル・ユースに行けば貧しい国から来た子供達が沢山いるだろう、将来のアドリアーノやマーティンスを夢見て。一見たいした慈善事業にみえるが、実は格安(移籍金や高額年俸なし)な出費でタレントの原石をイタリアに持って帰れるメリットのある事業なのは否めない。
ただ不思議とサッカー設備の整ったところではクラッキは育たない。ペレ、ジーコ、マラドーナやジダンなどが口を揃えて言うように、スーパーテクは原っぱやストリートで身につく。小さな子供が体力で勝る年上相手に何度も突破を試みる。ブラジルのどの町にもある貧民街には必ず周囲から天才といわれるガキが1人はいる。
幼いマラドーナが小汚いスラム街で干した洗濯物をバックにリフティングしている映像は世界中が知っていると思う。これを観ながら、将来この子がしでかす偉業を思うと、つくづくサッカーの奥深さについて思い知らされる。
ヨーロッパのビッグ・クラブは南米から少年達を連れて行くより、もっと地元の原っぱを増やし、スカウトに街角を徘徊させるという手段をとればどうか(ナイキのストリートもどきとは違う)。ビジネス大国はそんなノンキなことやってる暇はないと怒られるのがオチか。
ブラジル固有の問題は、ブラジルは国力だけでいえばイタリアと同等、スペインやポルトガルやトルコなどに勝るのに、なぜに国内リーグやクラブ運営はこんなにもずさんなのか。これは誰のせいでもない、そこに真の問題が潜んでいる。
出でよストリートのクラッキたち

投稿者 fhasebe : 16:59 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月08日
ブラジレイロンの行方
ブラジル選手権第35節(全46節)が終了した。前回のコメントから3節が消化され、ここにきてアトレチコ・パラナエンセがサントスに1勝分の差(つまり3ポイント)を付けた。
過去3試合の戦績は:
アトレチコ・パラナエンセ サントス
勝ち点63 勝ち点65
第33節 ビトリア0×2 インテルナショナル2×0
第34節 5×0アトレチコ・ミネイロ グアラニ0×1
第35節 ジュベントゥージ3×3 1×1コリンチアンス
と、アトレチコ・パラナは2勝1分けと無敗、サントスは1勝1分け1敗となっている。とくに第35節は両チームとも強豪チームとの対戦であり結果が注目されていた。サントスはこれでコリンチアンスにホームで3年間負けていない。ジュヴェントゥージは再南端のリオ・グランヂ・ド・スウ州のチームで低迷する同郷チームのグレミオとインテルとは違って良いシーズンを送っており、現在勝ち点59の三位に付けている。他にもサンパウロFCとサンカエターノが同じ勝ち点で三位に並ぶ。上位4チームまで来年のリベルタドーレス杯の出場権を得る。
3位と1位の差が6点あるためまだまだ逆転は可能だが、アトレチコ・パラナエンセはチーム力と得点効率(FWワシントンは現在25ゴールで得点王)、サントスは攻撃力、とそれぞれ突出した力のあるこの二チームが残り11節で優勝へのデットヒートを繰り広げるだろう。
サントスは移籍したMFディエゴの穴をサンパウロFCから獲得したヒカルジーニョ(02年W杯代表)などで上手くカバーできたようだが、昨年の覇者クルゼイロはアレックス、クリス、マイコンなどの主力の放出後さっぱり低迷してしまい、サンパウロFCもルイス・ファビアーノ、グスターボ・ネリなどを放出したため攻撃力がガクンと落ちてしまっている。
以前も載せたがJB紙のカラザンス氏のコメントどおり、ブラジルのクラブの最大の敵は海外のスカウトだ、間違いない。

投稿者 fhasebe : 23:34 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月07日
セレソンに新しい変化
現在リオの田舎で合宿中のセレソン(今日、ベネズエラ・マラカイボへと旅立つ)のレギュラー争いに変化が見られた。
以前もフッチ・ブログで取り上げたが、現在合宿では4バックのうち二人のCBはフアン(JUAN)とロッキ・ジュニオール(両者ともB.レバークーセン)が正レギュラーを務めている。つまりフアンがルシオ(B.ミュンヘン)のポジションを奪ったことになる。
もう一つはジルベルト・シウバ(アーセナル)のケガのおかげだが、ヘナト(セビーリャ)が中盤の底に入った。これで中盤から前の6人が“黄金のセクステット”に化けるか見物だ。ブラジルは今週9日(土)にベネズエラとアウェーで戦う。
ヘナトとフアンに共通するのは、テクニック重視であること、体は大きくないが非常にクレバーなこと。今年8月のコパ・アメリカ優勝に貢献したおかげでチャンスが巡ってきたといえる。もう一人の優勝の立役者アドリアーノはロナウドがケガから回復したためベンチを温めることになりそうだ。
彼等がスタメンで出ることによって確実にセレソンのスタイルが変わるはず。もちろん相手がベネズエラだということもあり、このようなテクニシャン重視なセレソンを組める(パヘイラ監督はベネズエラを軽視してはいけないと言い張り続けているが)。アウェーでアルゼンチンとやるとすれば、このメンバーは組めない。いずれにしても人材が豊富なセレソンにできるニュー・バリエーションだ。
セレソンの正CB二人はB.レバークセンでも一緒、後ろがやっとレギュラーを手に入れたフアン

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2004年10月06日
FIFA世界(本当はヨーロッパ)最優秀選手、候補リスト
2004年12月20日、スイスのFIFA本部で開かれるFIFA年間最優秀選手賞の候補リストが昨日発表された。選ばれた35人の選手のうち6人がブラジル人と、ブラジルは幸福にも候補選手の最も多い国となった。
アドリアーノ、ロベルト・カルロス、カフー、カカ、ロナウド、ロナウジーニョの6人がノミネートされた。投票は世界中の監督および代表キャプテンなどによって投票される。下馬評ではロナウジーニョかアンリが有力だ。
フッチ・ブログ的にはロナウジーニョは別に今回タイトルを貰わなくてもよいと考える。トスタンが言ったように、年間ベスト・プレイヤーは次の年調子が落ちる。リバウドしかり、ロナウドしかり、今年のジダンしかり。ロナウジーニョはプレー内容ではもう別次元にいて比較しようがない、が、彼には02年W杯以外、重要なタイトルが無い。
現在、リオで合宿をはじめたセレソンの上記6選手はそれぞれ喜びの言葉を表していた(特に初選出のカカとアドリアーノ)。なかでもロナウジーニョはオ・グローボ紙に「今回は受賞できなくてもいい、いつか必ず僕の所にくる賞だからね」と言っていた。本人が一番良く分かっているのである、先立つものはヨーロッパでのビッグ・タイトルであることを。彼はペレ、マラドーナの後に出てきたサッカー史上の天才になりたいという野望がある。
しかし相変わらずヨーロッパ100%偏重のノミネートには愕然とする。南米でプレーする選手はまったくノミネートされていない。南米にいるホビーニョ、ルチョ・ゴンサレス、テベスなどは選出に値しないようだ。それにイングランドから5人ノミネートされ、アルゼンチンはたったの1人しかいないのは、どう考えてもおかしい。「おーいFIFAさんよ、南米にも見に来い!」と以前ロマーリオは文句を言っていた。だから名前を“ヨーロッパでプレーする年間最優秀選手”と付けた方が分かりやすいのではないか。でもそうするとバロン・ドールと一緒くたになるが。
ヨーロッパしかプロ・サッカーがないとFIFAに見なされているため選出されなかったロビーニョ

投稿者 fhasebe : 21:03 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月05日
エジミウソン半年間離脱
バルサに取り憑いてる悪霊はとうとうセレソンに及んだ。両チームでボランチを務めるエジミウソンは先週末のリーガ第6節ヌマンシア戦で右膝の半月板剥離および前十字じん帯断裂の重傷を負い、半年以上の治療を余儀なくされた。バルサの問題はともかく(もう一人のブラジル人ボランチであるモッタもじん帯断裂で離脱)、セレソンはこれで1週間に二人のボランチを失った(もう一人はアーセナルのG.シウバ、背筋を痛め1ヶ月離脱)。
今週リオで集まるセレソンは、他にもロナウドや数々の選手が欧州各国リーグでの激戦で疲弊してブラジルに戻ってくる。セレソンはW杯南米予選で10/9ベネズエラ戦および10/13コロンビア戦の2試合を行う。
二人のボランチの欠場(うちG.シウバはレギュラー)でチャンスが回ってくるだろうと予想されるのが元サントスで現在セビーリャに所属するヘナト。2年前からトスタンなどにセレソンのレギュラー・ボランチに支持されてきたヘナトは現在リーガでも得点を上げるなど絶好調である。ヘナトが支持されるのはファウル・プレーに頼らず、ブラジルで最も華麗なテクニックを持つボランチだからだ。
そうなると、中盤からトップまでは:
ジュニーニョ ヘナト ゼ・ホベルト
カカ ロナウジーニョ
ロナウド
(アドリアーノ)
と黄金のカルテットどころか、“黄金のセクステット”が完成するではないか。
とにかく、この1週間に行われる2試合は彼にとってターニング・ポイントになることを祈る。

投稿者 fhasebe : 21:02 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月04日
1974年10月2日、ペレが引退
あれから30年!サッカー史上最高の選手がサントスで引退を表明した。それから1年後アメリカのコスモスで再復帰をするのだが、ブラジル人にとっては、1974年10月2日がペレの最後の現役試合だ。

そのペレが録画で蘇る。今年ブラジルで公開された(日本では公開されないのだろうか?)「Pele Eterno(永遠のペレ)」がDVDで発売された。いずれ日本でも手に入る。
フッチ・ブログはまだ入手していないが、ブラジルのサイトでプレビューを確認した。
http://cinema.terra.com.br/videos/interna/0,,OI41285-EI1176,00.html
一言でいうならスゴイ、まるで絵に描いたようなプレーばかりが厳選された、ペレの生涯通算1,281(!!)ゴールのうち400ゴールのシーンが収められている。フォーリャ・デ・サンパウロ紙のウンベルト・ペロン氏が言うように「右足で決めるペレ、左足で決めるペレ、ヘッドで決めるペレ、突破して決めるペレ、囲まれて決めるペレ、ありとあらゆるゴール・シーンが堪能できる」らしい。
一人の選手がここまで出来るものなのか?ペレを現役で見たことのない人々(フッチ・ブログもそうなのだが)にとって貴重な映像となるに間違いない。これらの映像を見ると、今スーパープレイヤーと言われている選手たちがかすんで見えてしまう。
投稿者 fhasebe : 21:41 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月03日
ロマーリオ、最終章
ロマーリオは今週リオで記者会見を行い、自身の引退試合を11月10日アメリカのロサンゼルス・コリゼウムで行うと公表した。同スタジアムは1994年W杯決勝戦の舞台でブラジルが4度目のW杯を手にした記念の場所だ。ロマーリオをはじめ当時のセレソンのメンバーを集め、同じく94年W杯のメキシコ代表チーム(こちらはGKホルヘ・カンポスの引退式を行う)と記念試合をする。だが、これで終わらないのがロマーリオの会見。その後、相変わらず爆弾発言を残していった。
「この機会にもう一度私の意見を表したいのだが、私は1970年代までのペレ世代の後に現われたブラジル・サッカー界の最高のプレイヤーだ」と、自らサッカーの王様に次ぐ第二の地位にあると勝手に表明してしまった。自分で言ってどうする?とツッコミたくなるところだが、早速ブラジル各紙でロマーリオの発言に対する読者アンケートが行われた。
リオ(ロマーリオの出身地)のオ・グローボ紙でのアンケートでは回答者過半数はジーコがペレの後に現われた最大の才能と答えた。しかしロマーリオを支持する読者も20%はいるそうだ。これについて同紙のコラムニスト、カランザンス氏は「ロマーリオが近年ブラジルが輩出した才能のなかでもスバ抜けているのは疑いの余地はない。彼はエリア内ではサッカー史上最高の芸術家。ただ引退が近づくにつれ、こういった話題を繰り返し吹聴する彼の姿勢にうんざりするだけだ」と道徳的な問題を付け加えていた。
もう一つのリオの新聞ジョルナル・ド・ブラジル(JB)紙のコラムニスト、トスタン(彼こそ現役時代“白いペレ”と称賛された)の意見では、“ロマーリオを単なる点取り屋として見てはいけない。絶頂期の彼はストライカー以上の、純粋な天才。70年代以降、ロマーリオとジーコとロナウドの3人がスーパークラッキだと思う、そのうちでもロマーリオのプレーが一番、鳥肌を立たせてくれた”と現役時代FWだったトスタンらしいコメントをしていた。
ロマーリオの星の数ほどのスーパープレーのうち最も話題になったのが94年W杯準々決勝のオランダ戦でのファースト・ゴール。ベベットの逆サイドからのクロスは腰ぐらいの高さでバウンドし、エリア内を横切ろうとしていた。ここでファーにいたロマーリオは、その後ブラジルのすべてのサッカー関係者を唸らせたあのプレーをした。
そのプレーについて、今は引退した名コラムニスト、アルマンド・ノゲイラ氏が後日こう書いている“あの中ぐらいの高さのクロス・ボールをシュートしようとすれば多分ボールは勢いで大きくホップしてしまっただろう、またトラップするには高さ中途半端でスピードがありすぎた。だからロマーリオは宙に舞ってコンマ数秒とどまり、ボールに逆らわず、チョンと触れて、いとも簡単にゴールを決めたのだった。この本能的なプレーは我々の度肝を抜いた。あの日、現地のスタジオにいた私たちは深夜までこの映像を繰り返し観て何度もため息をもらした”。もしこの映像を再度観る機会があればノゲイラ氏の言葉を思い出しながら、もう一度あのプレーを観賞してみてほしい。
フッチ・ブログとしては、このプレーに加え、グループ・リーグのカメルーン戦で飛び出してくる相手キーパーの、普通なら上を狙うところを、脇下を通したタッチも付け加えたい。
他にも若かりし頃のバスコ・ダ・ガマやバルセロナでのゴール・シーンや晩年のバスコやフラメンゴでのプレーはそれこそ珠玉の芸術品だ。スカパーに入っている人は今季CLリーグ開始前(8月頃)の歴代の名カード再放送(正式名は定かではない)でバルセロナ時代のロマーリオの雄姿を確認できた。
天才ゆえ、その我慢ならないエゴのおかげで彼は多くの称賛を逃したのも事実だが、ロマーリオのような“自分の意志をはっきり言える選手”はブラジルでも益々少なくなっている。

投稿者 fhasebe : 18:22 | コメント (2) | トラックバック
2004年10月02日
バルセロナ-“夢の機械”
昔のサッカーはこうだった(スピードという要素を除けば)。体が小さくてもテクニックがスバ抜けた中盤の選手が次から次へとパスを回していく。まさに想像力のお祭り。「なんて美しいパスなんだろう」、「次はどんなことをしてくるんだろう」、人々は期待に胸を膨らませ球場に足を運んだ。
ロナウジーニョは古きサッカーの継承者。彼はペレを見た、マラドーナを見た、ジーコも見た。昔のクラッキたちのすべての技が彼一人に凝縮されている。あの“エラスチコ”(日本ではエラシコと間違って発音されている)はリベリーノが“発明”したトリックで、ブラジルでは“シクレッチ(ガム)”とも呼ばれる。70年W杯決勝のイタリア戦でも使っている(このシーンはスゴイ)。
つい2年前はレアル・マドリード、今ではバルセロナが“夢の機械”の称号を授かろうとしている。リーガおよびCLでの数試合を観ていると、これほどファンタジーがあり効率の良いチームは他にない。

投稿者 fhasebe : 22:32 | コメント (0) | トラックバック
2004年10月01日
CLを支えるブラジル人プレイヤー
UEFAチャンピオンズ・リーグの熱狂ぶりはブラジル人にとっても羨ましいかぎりだ。ブラジルでもCLは放映されており、人々は異国の地にいる同郷人の活躍を見守っている。実はCLに参加するブラジル人選手の数は半端ではない。いまブラジルのサッカー・サイトでは“ブラジル人プレイヤーがいなければCLの面白味は半減すると思うか?”といったアンケートまで出回っている。
日本でも意外と知られていないのがCLに出場している中堅どころの各国代表クラブの殆どにそれほど有名でないブラジル人選手がいることだ。現在、CLグループ・リーグ第二節目が終わったところなので、彼等をピックアップしてみるのも面白い趣だ。以下、www.uefa.comから引用:
グループA(5)
・モナコ(FRA)(1):マイコン(右SB、セレソン)
・デポルティーボ・ラ・コルーニャ(ESP)(1):マウロ・シウバ(ボランチ、元セレソン)
・オリンピアコス(GRE)(3):リバウド(MF、元セレソン)、ジオヴァンニ(FW、元セレソン)、ダコール(FW)
グループB(10)
・レアル・マドリード(ESP)(2):ロベカル、ロナウド(周知のとおりセレソン)
・ローマ(ITA)(1):マンシーニ(右SB、元セレソン)
・バイエルン・レバークーセン(GER)(4):ホッキ・ジュニオール(CB、セレソン)、フアン(CB、セレソン、ジュアンと呼ばない)、ポンチ(MF)、フランサ(FW、元セレソン)
・ディナモ・キエフ(UKR)(3):ホドウフォ(ボランチ)、ジオゴ・ヒンコン(MF)、クレベル(FW)
グループC(7)
・バイエルン・ミュンヘン(GER)(2):ルシオ(CB、セレソン)、ゼ・ホベルト(MF、セレソン)
・ユベントス(ITA)(1):エメルソン(ボランチ、元セレソン)
・アヤックス(HOL)(2):カースミンスキ(左SB)、マックスウェル(左SB、セレソン)
・マッカビ・テルアビブ(ISR)(2):マルシオ・ジオヴァーニ(CB)、ブルーノ・ヘイス(MF)
グループD(11)
・マンチェスター・ユナイテッド(ENG)(1):クレベルソン(ボランチ、元セレソン)
・リヨン(FRA)(5):カサッパ(CB、元セレソン)、クリス(CB、セレソン)、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(MF、セレソン)、エウベル(FW、元セレソン)、ニウマール(FW、元セレソン)
・フェネルバフチェ(TUR)(5):ファビオ・ルシアーノ(CB,元セレソン)、ファビアーノ(左SB)、マルコ・アウレリオ(ボランチ)、アレックス(MF、セレソン)ノブレ(FW)
グループE(5)
・アーセナル(ENG)(2):エドゥ(ボランチ、セレソン)、ジウベルト・シウバ(ボランチ、セレソン)
・PSV(HOL)(3):エウレーリョ・ゴメス(GK)、アレックス(CB、元セレソン)、レアンドロ(FW)
グループF(12)
・ミラン(ITA)(4):ジーダ(GK、セレソン)、カフー(右SB、セレソン)、セルジーニョ(左SB)、カカ(MF、セレソン)、
・バルセロナ(ESP)(4):ベレッチ(右SB、セレソン)、シウビーニョ(左SB、元セレソン)、エジミウソン(ボランチ、セレソン)、ロナウジーニョ(FW、セレソン)(デコはブラジル生れ)
・セルチック(SCO)(1):ジュニーニョ・パウリスタ(MF、元ブラジル代表)
・シャフタール(UKR)(3):ジョアオン・バチスタ(MF)、マツザレン(MF)、ブランダォン(FW)
グループG(4)
・バレンシア(ESP)(1):ファビオ・アウレリオ(左SB、元セレソン)
・インテル(ITA)(2):ゼ・マリア(右SB、元セレソン)、アドリアーノ(FW、セレソン)
・ブレーメン(GER)(1):グスターボ・ネリ(左SB、セレソン)
グループF(9)
・ポルト(POR)(6):ペペ(CB)、ヂエゴ(MF、セレソン)、カルロス・アウベルト(MF)、ルイス・ファビアーノ(FW、セレソン)、デルレイ(FW)、マシエウ(FW)
・パリ・サンジェルマン(FRA)(1):ヘイナウド(FW)
・CSKAモスクワ(RUS)(2):ダニエウ・カルヴァーリョ(MF)、ヴァグネル・ラブ(FW、元代表)
以上、32チーム中の26チームにブラジル人プレイヤーが所属しており、計63人!がCLに登録されている。ちょっと数える勇気がないが、話ではフランスに次いでブラジルが最も多くのプレイヤーが参加している国だそうだ。フランスからは今回3チームが参加している。
いずれにしても、このリストには現在のセレソン・メンバーの殆どが入っており、これだけで、セレソンが2チームほど作れる。知名度の低い選手達もその殆どはU23代表以下の経験のある、つまりブラジル・サッカーのエリート集団(マグロで言えば大トロ)であることがわかった。ヨーロッパにはまだこの数の数倍をいくブラジル人プレイヤーが活躍している。
この圧倒的な数字に唖然とてしまう人は多いのではないだろうか。ブラジル人にしてみれば、これだけの選手がいつのまに出て行ったんだい!?と、まず嘆くほうが先だろう。
